第100回合同会議

 まずは皆さまに、御礼を申し上げます。上期が終了しましたが、特に後半は、酷暑、日向灘の地震とそれを受けての南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)の発表、さらには台風や、石川県を中心とした豪雨などの災害に直面しました。施設等では多少の被害がありましたが、人的被害はなかったと聞いています。これもひとえに、皆さま方のご準備や配慮が大いに寄与したと思っています。心より感謝を申し上げます。

 今回は、第100回の節目の合同会議となりました。西濃運輸の歴史を紐解くと、第1回は昭和60年の1月13日に開催されています。会議の名称は「合同委員会」。それから約40年に及ぶ歴史のある会議体です。

 冒頭にお知らせですが、本日(10月1日)よりMDロジス(旧三菱電機ロジスティクス)がグループインします。これにより、エレクトロニクスの分野における製品知識や専門性の高い物流ノウハウを共有することができ、業界の中でも唯一無二の比較優位性と参入障壁を作っていくことができます。今後、国際物流をはじめ、多岐にわたる様々な提案を行うことにより、お客さまの繁栄、ひいてはこの世界の繁栄に貢献していけると考えています。皆さまのお力添えを、よろしくお願いします。

上期の振り返り

①オペレーション3事故について。
 商品事故については減少傾向にありましたが、残念ながら車両事故と労災事故については、増加傾向になっている状況です。特に車両事故においては、4月に重大事故が発生しています。我々は二度と同じような事故を発生させないよう、現実をよく見て、しっかりと原因分析をし、対策を打つことが非常に肝要 です。事故の発生理由を確認すると、5点チェック、6点チェックができていなかったと聞くことがあります。しかしこのチェックができていなかったというのは、できていないという一つの現象面になります。なぜできていなかったか、これをより深掘りする、因数分解することが一番肝要であり、因数分解したその先に原因に対する対策というのが生まれてきます。そこまで分解して対策を打つと、当たりやすくなっています。しっかり現象面から原因を因数分解して対策を打つことを、今後もしっかりやっていただけるよう、改めてお願いします。
 一人ひとりが1日1日、無事故を実践しましょう。ドライバーの99.9%の方が、日々無事故で過ごしています。これを継続していくことを、お願いします。

②収入利益実績について
 まだ9月の実績が確定していないので速報を予測した数値になりますが、計画には少し足りていませんが収入は増収、利益は残念ながら減益となりました。上期の営業日数が 1.7日少なかったのにも関わらず努力をしていただき、9月の結果次第では増益というラインまできていることは事実です。しかし、計画については、まだ借金ができています。成長を続けていくための担保として、利益は必ず必要になってきますので、各エリアはそれぞれの項目を細かく見て、計画利益をどのように達成していくかを考え、行動していくことが肝要です。
確定結果では、上期は利益も増益となりました


③各部基本政策25項目について
 「収入」は1勝4敗、「費用」は9勝2敗、「足元を固める」は6勝3敗という状況です。政策の骨格は、+αの価値提供による適正運賃収受、そしてロジと貸切ですが、前年より伸長したものの、結果として計画通りにはいきませんでした。+αの価値提供、そしてロジと貸切は、下期も成長戦略の軸となるため、エリア毎、店所毎に因数分解をして、対策を取っていくということが大切です。
 物量に相関した費用コントロールについてはいつも伝えていますが、費用をコントロールするのは、日数・人数・時間・単価・台数の5要素です。しかし、今のご時世は、単価をコントロールするのは大変厳しい状況ですので、日数・人数・時間・台数を物量によっていかにコントロールするかが基本となります。これらをしっかりと理解をした上で、基本政策25項目はまだ続きますので、下期もしっかりやり遂げていきましょう。

④単価・物量について
 収受運賃率やKg単価、発送重量は、皆さんの努力によって、それぞれ上昇しています。特筆すべきことは、同業他社と比較すると、単価が上昇しながら、物量も上昇しているという点です。これは冒頭より皆さまに+αの価値提供をして、適正な収受運賃をもらうことをお願いしていますが、これを実践していただいている結果だと認識しています。他社では単価を下げて物量が増えていたり、単価は上がったが物量が減っていたり、単価が横ばいで物量が増えています。単価も増えて物量が増えているのは、しっかりした営業展開ができているのと思っていますので下期も続け、まだ単価の目標には至っていませんので、+αの価値提供をして、適正運賃や単価を収受していきましょう。これは2024年においては非常にピンチですが、チャンスでもありますので、しっかりと取り組みを遂行していきましょう。

下期の営業施策

 軸足として伸長率を高く設定しているのが貸切と物流であることは、上期から変更はありません。ここをしっかり伸ばしていきましょう。上期の分のマイナスを下期でしっかりと取り返さなくてはいけません。決して目線を下げずに行動することが基本ですので、増収増益は当たり前として、計画達成に向けて目線を下げずに行動するということをお願いします。
 下期の重点政策のKg単価について、これも先ほどお話をした通り、単なる価格競争ではなく、+αの価値提供による適正運賃の収受に取り組んでいきましょう。既にやっていただいていると認識をしていますが、まだまだ計画値まで行ってはいません。店所によっては、既に達成している所もありますが、全社平均ではまだ足りていません。成功事例が各店所やエリアにもあると思うので、それをしっかり把握をしながら、取り組んでください。

創意・新たに創り出すこと

 今期のスローガンである「創意」に沿って、これまでの考え方にとらわれず、新たに創り出していくこととして、6点を挙げています。

①ロジのセイノーの加速
 総合窓口を担うロジのセイノーとして、お客さまに「成り代わる」重要な部分です。計画利益達成と増収増益を果たし、ロジのセイノーとして総合窓口を担うために、総合的な提案力の強化が必要であると考えています。既に始まっていますが、当社の人材力、そして提案力を形にしたコンサルサービスを展開して、他社との優位性につなげていきます。

 

豊川支店保管施設(2025年2月竣工予定)
豊川支店保管施設(2025年2月竣工予定)
東大阪ロジスティクスセンター(2025年3月業務開始予定)
東大阪ロジスティクスセンター(2025年3月業務開始予定)

 また増床については、成長戦略としての先行投資であり、増床と同時に早期満床と増収につなげていくということが肝要です。倉庫等を借りる場合に、最初の6ヶ月は家賃がかからないというフリーレント契約というのがあります。その場合、6ヶ月間は荷物が入ってなくても家賃は取られてないので良いのではないかと考えがちですが、会計上はフリーレント期間であっても、既に費用は発生していますので、早期に満床にして、売上と利益を確保することが必要です。
 さらにMDロジスとのシナジーも、しっかりと出していきたいと思います。

②貸切の成長の加速
 なぜ貸切なのかと言うと、新たな施設投資をしなくても伸ばすことができる事と、ロジのセイノーとして展開していく上で、足回りの選択肢を増やすという観点から、大変重要だと考えているからです。ハコベルとの連携、見つカルチャーターによる車両手配の効率化を推進し、空気を運ばず空気をきれいにすることは大変重要な施策ですので、どんどん推進していきます。

③Green物流
 日本郵便グループとの業務提携を、5月に発表しました。2024年問題を含め、物流業界は多岐に渡る課題を抱えています。これは個社の努力だけでなかなか解決することができませんので、「競争」ではなく、企業の垣根を越えて共に創る「共創」をしていく必要があります。皆さんにもご理解をいただきながら、O.P.P.を推進していきたいと考えています。

 O.P.P.による効果ですが、東京都内では、大森支店ではエスラインギフさま、深川支店ではトナミ運輸さま、そして足立支店ではJPロジさまと取り組みを行っています。この3店所の配達生産性をみると、大いに伸びていることが一瞥して分かる状況です。このように更にO.P.P.を推進していき、我々は業界の旗手として、都内における物流、それから全国における物流ネットワークを維持向上させていくことを使命として、取り組んでいきたいと思っています。

④定着と採用
 本当に大きな経営課題だと考えています。全社一丸となって、Well-beingを実現し、定着率・採用力の向上を図っていきたいと思っています。Well-beingは日本語に直訳すると”良い状態”となります。身体的にも精神的にも良い状態をつくるためには、従業員がやりがいを持ち、働きがいがあり、自己成長を感じられる職場にすることが肝要です。エリアや店所によって、採用が非常に進んでいたり、定着が非常に高かったりする所があります。成功事例がありますので、これらを吸い上げて、水平展開をしていきたいと考えています。

⑤システム投資
 効率化や生産性向上を進めるために、システムへの投資は止めるわけにはいきません。営業乗務社員用に引き続き、路線乗務社員用のスマホを導入していきます。特に業務データが随時送信できることによって生産性が向上しますし、点検簿や運行表等のペーパーレス化等のDXにも寄与していきます。

⑥有事は身心優先 平時は法令遵守
 本年1月に発生しました令和6年能登半島地震に際し、被災地への緊急物資輸送に協力したとして、農林水産大臣より感謝状をいただきました。これは現場の皆さんが、1月1日から物流を止めない行動を取っていただいたお陰で、私は皆さんの代表とし感謝状を受け取った次第です。直近では、石川県を中心とした集中豪雨もありましたが、北陸エリアを中心に連携をしながら、支援を展開していただいている状況です。エッセンシャルワーカーとして「物流を止めない」という使命を我々は果たしていきたいと考えています。有事は身心優先、平事は法令順守。これをぶらさずに取り組んでいきましょう。


 最後に、健康管理に十分留意してください。その上で、従業員全員の総力を結集して、目標を達成していきたいと思っています。安全面で無事故の達成、そして収益面では計画を達成し、増収増益を全エリアと全店が成し遂げるということが、有終の美だと思っています。