一人ひとりの行動が「この世界の繁栄へとつながる」という高い意識を持って 業務を遂行していきましょう

 昨年はコロナ禍が少し落ち着いたとはいえ、地震や大雪、台風などの自然災害に大変多く見舞われました。そのような中でも皆さんの「物流を止めない」という想いとその気概が、社会への貢献に役立ったと思っています。この場を借りて改めて御礼を申し上げます。               

 さて、昨年はセイノーグループにMDロジスが加わったことでグローバル企業と連携が深まり、日本国内だけでなく世界を舞台に、これまで以上に価値を提供する機会を手にしました。一人ひとりの行動が「この世界の繁栄へとつながる」という高い意識を持って業務を遂行し、全ての人に笑顔と幸せを届け「心をつないでいく」。新たな価値を創造し、「+αの価値提供」「One Stopのサービス」を提供していきましょう。

 本日は、次の3点についてお話をさせていただきます。

①先期の振り返り
    
先期の特積みの物量減少には、物価上昇による買い控えが大きく影響し
    ています。
    
適正運賃収受率においては、4-2月105.5%の前年伸長結果です。
    
物量確保と費用削減の行動に尽力する中、4-2月では増収減益の結果で
    す。

②今期の営業施策
    今期は、Kg単価伸長をさらに加速させます。
    物量に相関した運行体制の見直しを行います。
      Kg単価の伸長と物量相関の費用管理にて利益体質の構築が重要となり
    ます。
③拡伸させていく事
    One stop
のサービスを提供し、Green物流の強化、お客さまが抱える複
    雑な課題を解決していきます。
      今期拡伸する為の6点について。

1.先期の振り返りについて

 ロードマップ2028の2年目となる先期は、収入は頑張っていただきましたが、残念ながら増収減益となりました。(3月はまだ未確定)
 Kg単価については、前年比105.5%と、大変ご努力をいただいたと思っています。ただ、4~2月の日当たり物量は前年比99.3と前年割れを起こしています。これには、社会情勢や物価高、それに対しする個人消費の低迷という環境的要因という現象面はありますが、それでも18エリアある中で9エリアが増収増益という結果も出ていますので、自責で捉えて、良かったエリアや店所の成功事例の水平展開や、自店との違い等をしっかりと分析をして、次につなげていくことが一番肝要ですので、よろしくお願いします。
 各部の基本政策25項目の結果を検証していきます。全社的に見ると14勝11敗という状況になりました。この結果を因数分解するとエリアごとの成績が出てきますし、それをさらに因数分解すると店所ごとの成績が出てきますので、特に思うようにいっていない項目は、現象面から原因をしっかり分析をし、来期今期につなげていただくということをお願いします。

2.今期の営業施策

 今期のポスターに、今期の方針の軸が掲載されています。「この世界の繁栄へ、心をつなぐ」「すべての人に笑顔と幸せをお届けする」をテーマに一人ひとりが自分で考え、行動するようにお願いをいます。この世界の繁栄を中心軸に、+αの価値提供を進めていきたいと思います。
「自分で考える」自責行動という言葉は「自らの責と捉え考え動くこと。これ即ち歩みを止めぬ思考なり」となります。簡単に言うと、他責にしてしまうと、そこで思考がストップしてしまうということです。例えば、環境が悪いから、消費が悪いから、物量が少なくても仕方ないと思ってしまうと、そこで思考が止まってしまいます。

 これを自責で捉え、「環境は悪いけども、増収増益のエリアがある」「自分たちに何が足りない」こう考えてくると、色々な成功事例を聞きに行ったり、様々な思考パターンがどんどん生まれたりしていき、成長が生まれます。「自責」そして考え動く「自責行動」、これを行動指針として取り組んでください。
 続いて、2025年の収入利益計画ですが、総合収入を前年比108.2%、月次利益を前年比277.0%としました。この月次利益をしっかり遂行し、2024年度にやりきれなかった分を再チャレンジして、今期は何が何でもこの計画をやりきらないといけません。先期については、ややもすると「前年」に対してどうかという言葉が多くなってしまったことが一つの反省でもあるため、今期については、「計画」に対しての結果を常に追っていきます。
 各部基本政策25項目のうちの、まず利益確保のための営業政策の5項目ですが、やはり「+αの価値提供(適正運賃収受)」が営業政策の軸になっていきます。それにボリュームアップ施策、貸切の拡販、ロジスティクスの拡販、国際の拡販をしっかりやり切っていきましょう。適正運賃収受は、単にお願いをしに行くのではなく、そこに必ず+αの価値提供をつけていくことがポイントです。そのような成功事例を学んで、今期についても展開を図っていくことを改めてお願いします。
 費用管理13項目と足元を固める7項目ですが、特に費用管理13項目については、年間で50億円の削減を掲げています。50億円とは、大変大きな数字に見えますが、18エリアに因数分解をしていくと、1エリアで年間約2億7千万円。さらに、分解していくと、1日あたり1店所10万円。さらに細かく従業員1人当たりに直すと、1日当たり1,100円。これを少しずつ、毎日やりきっていくと、この積み重ねで50億円が削減できますので、ショートインターバルコントロールで検証しながら、やり遂げるということをお願いします。

3.拡伸させていく事

 今期のスローガンである「拡伸」に沿って、業界や企業の垣根を越えた「Green物流」を展開し、One Stopのサービスを提供していくことで、お客さまの課題解決に向けたサポートを行います。
 今期拡伸をさせていく点6点について説明します。

①+αの価値提供
 適正運賃収受によって、Kg単価を伸長させていきます。先述の通り、単価について先期は大変尽力をいただきました。そして、先期の1月からはミニ便についても、政策に入れ込んで取り組んでいます。先期の上期は、このミニ便と小口の部分については、あまり触れていませんでした。大手の宅配会社が値下げをして物量を増やしている状況から、そこに入っていくことは特策ではないと考えたからです。値下げをして物量を増やしていくと、減益になることは火を見るより明らかで、長続きはしないだろうと見ています。その中で、1月から小口やミニ便についてもしっかりと交渉していただいたところ、㎏単価が102.8%となりました。まだ伸びとしては緩やかですが、まだまだ伸びる余地があると考えています。
 全体的なKg単価は、先期にだいぶ伸ばしていただきましたが、さらにその前年に対して104%まで伸ばしていく必要があります。3年周期の改定を組み合わせで、今期については荷主全体の35%、19年運賃の45%未満のターゲットを中心に組んでいます。母数としては4万5千社、そしてそのうちの小口のターゲットが1万4千社という状況にですので、ここをしっかり伸ばしていきましょう。忘れていけないのは、ただ単に適正運賃収受をお願いしに行くということではなく、先ほどからお伝えしている通り「+αの価値提供」をしっかりと行いながら取り組んでいくことを改めてお願いします。

②ロジのセイノーの加速
 今、ロジ部隊を中心に「物流診断サービス」を展開して、お客さまの健康診断のようなものを行いながら、お客さまのペインをゲインに変えていく取り組みをしています。これをしっかりと、今期も継続していきます。
 店所やエリアにおいては、既存荷主上位10社を中心に、繁閑出荷波動による人手不足などのお困りごとの確認から、物流診断サービスにつながる行動をお願いしたいと思っています。特に18エリアの中でロジのシェアが少ないエリアについては、特にこういった物流診断サービスをきっかけに、ロジのシェアを増やしていきましょう。

③貸切の拡販
 今期は、貸切集中配車センターを拡伸させていきます。同センターによって、貸切配車業務の「効率化」「最適化」「標準化」を目指していきます。我々はハコベルや西濃エキスなど、様々な貸切の輸送モードをラインナップとして持っています。そのため、運ぶ商品の形状を選ばず、一車貸切や積み合わせ貸切、メガエキスのような様々な提案が可能です。そして貸切には珍しく、関西、中部、関東に継走拠点を持ち、リードタイムや品質を落とさない貸切を提供できるのは、業界でも唯一無二と言っても過言ではありません。現在、貸切集中配車センターは三岐エリアで展開をしていますが、2桁の伸長が見えています。貸切集中配車センターを全国に広げて18エリアで対応していきますので、よろしくお願いします。

④Green物流
 オープン・パブリック・プラットフォーム(O.P.P.)というような形で、同業他社との連携・共創を進めています。現在11社からO.P.P.という形で当社が請け負い、2024年度から8社増えました。全体的な物量が99%台と少し落ち込んでいる状況ですが、東京都内については、2024年度に10区の受託を開始し、発送重量の日当たり前年比が12月は100.8%、1月は101.3%、2月は103.6%と確保できています。これはやはりO.P.P.の効果と言えますので、まだまだ伸ばす余地がありますので、全国にも広めていきましょう。物量を確保しながら、「空気を運ばずに、空気をきれいに」Green物流の推進をお願いします。

⑤幹線ネットワーク
 柔軟性のある幹線ネットワークへ変革していきます。ハコベルの配車システムを活用し、ユニットパレットに特化した片道の運行。そして、エリアハブや中継ハブの強化と整備し、集約体制の推進、O.P.P.による効率化。このようなことも合わせて、柔軟のあるネットワーク、いわゆる物量に相関した費用コントロールができるネットワークを構築し、利益を作っていくということを考えています。

⑥定着と採用
 社員のWell-beingを実現し、定着率・採用力の向上を図っていきます。
Well-beingという言葉の定義は、身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることです。最近このWell-beingという言葉をよく聞きますが、これは目新しいことではなくて、我々が創業以来ずっと取り組んでいる「幸福の三本柱」と同じです。

「経済問題」「誇り」「将来性」が、まさにWell-beingのことですので、改めて取り組むのではなく、しっかりと創業時からやっていることを、進めていくことになります。
 また、2025年健康経営優良法人に認定されました。今後は、2026年認定に向けて企業としての社会的責任を果たすとともに、従業員の健康もしっかりとサポートをしていきたいと考えています。


 最後になりますが、「安全第一」についてお話します。一人ひとりが1日1日無事故で仕事を終えること。これを99.99%の人が実践をしてくれています。この気持ちを忘れずに、日々一人ひとりが無事故で過ごす世界を作っていきたいと考えておりますので、よろしくお願いします。
 これから暑くなってきたり、台風など様々な自然災害があると思いますが、健康に留意をしていただいて、「従業員全員の総力を結集して、今期掲げた計画を、皆の力で成し遂げる」これをお願いして、訓示の言葉とさせていただきます。