O.P.P.やOn Behalfを広げていくことで、すべてのお客さまの繁栄と日本の国力向上に貢献していこう

 明けまして、おめでとうございます。皆さまにおかれましては、健やかな新年を迎えられたことと、お慶び申し上げます。本日は、新年「協創の年」を迎えるにあたり、皆さんと共に、今後の方向性についての考え方を共有したいと思っています。
 その前に、まず昨年も現場の皆さんを含め、本当によくやっていただきました。
 MDロジスのグループ化も含め、大変良い成績を収めることができました。心より感謝を申し上げます。

 本日伝えたいことは、4点です。
●   2025年は「拡伸」のもと、従業員一人ひとりの工夫と努力の結果として、上期は過去最高の業績を実現できたことに深く感謝
●   AIや自動化の進展に伴う社会変化への対応はチャレンジングであるが、我々の価値提供領域が拡大していく好機
●   我々はお客さまの「心をつなぐ」存在であり、お客さまに選ばれ続ける企業であるためには、「人の力」こそが競争力の源泉
●   礼節と秩序を重んじ、自社の機能を超えて価値を「協創」することで、全員参加で会社の発展と従業員の幸せを実現していきましょう!


 皆さんもご承知の通り、これからもAIが爆発的に進化をし、AIのできることや技術と自動化も進んでいきます。おそらく法令が追いつかないくらいのスピードで進んでいきます。そのような時代に、我々「人」として何ができるのでしょうか。これは、「心をつなぐ」こと、「共感力」です。
 どれだけ膨大なデータをAIに入れたとしても、模倣することはできても、創造的な行動は難しいとされています。ですから今、我々は、新しい道具として、どんどんAIや生成AIなどを使っていきながら、その中でも、いかに「心をつないでいく」のか、「共感する」かがポイントになると思っています。人ができること、つまり「人の力」こそが源泉です。これをもって、ぜひ「会社を発展させて、そして従業員を幸せにする」という、我々の経営理念を果たしていきたいと思います。

 

2025年を振り返って

 上半期にはMDロジスがグループに入ったことで、数量的にも、そしてクオリティ(質)の面でも大変成長がありました。輸送事業においては、適正運賃収受の伸展に取り組んでいただき、増収増益となりました。物価も燃料費も上がってきていますので、お客さまと共に持続的なサービスを提供するために、三分の一のお客さまに運賃の交渉を進めていただいています。つまり、今年交渉したお客さまについては、3年~4年後に交渉することになります。このように継続的な運賃改定を可能にしていきます。これには、お客さまに対して、我々がいかに「プラスアルファの価値」を提案ができるかどうかがポイントになります。ただ今までと同じことを提供し「運賃を上げてください」と交渉しても、お客さまには受入れ難いでしょう。我々が「プラスアルファの価値」を提供するので、やらせてくださいとお伝えできると、お客さまも受け入れやすくなります。皆さんもご存じのように、一般的な小売りの場合、例えば1,000円の物に関しては約8%の80円が運賃となっています。一方でお客さまが負担している間接経費用は、約20%つまり200円程度となります。そこで運送事業者として、サービスを提供している8%の部分でどのように貢献するかを考えるよりも、20%の間接部門に対して、我々がいかに取り組むか、ここが大きなテーマになります。これが、いわゆるロジスティクスです。
 2025年上期の実績ですが、上期として売上高も営業利益も過去最高を達成しています。本当にありがとうございます。輸送事業、そして自動販売機事業についても、付加価値のあるメンテナンス等のサービスに注力していただき、利益率が上がってきています。関連事業につきましても、特に介護用品を中心とした家庭紙販売が好調に推移し、増収増益を達成しています。皆さんのご努力に感謝します。

 

 輸送事業における2025年上半期の成果と施策をお伝えすると、運賃単価は上期目標をクリアできた一方で、物量は目標をやや下回りました。今後もプラスアルファの価値提供を前提とした適正運賃収受は継続しつつ、ロジスティクスを通じたボリュームアップ施策の推進や、貸切拡大のスピードアップに取り組んでいきましょう。ハコベルによる物流部門や3PLの輸送業務プロセスを一気通貫でサポートし、日本にとって必要なビジネス展開をしていきます。

持続的な成長の実現に向けて

 日本社会が人口構造・産業構造・働き方の転換局面を迎える中、我々セイノーグループには生活や産業を支える「持続可能な社会インフラ」として役割を果たし続けるという社会的責任があります。この先、30%の荷物が運べなくなると言われています。そこが我々のチャンスとなります。
 我々は、いかに物流を効率化するかに挑戦しています。かつての日本の人口が増えている時代は、各企業が帝国主義の考えで、それぞれの投資を行い、自前のインフラの構築を行っていました。しかしこれからは、一緒にインフラの活用をしていくことで、サプライチェーンの最適化を目指していきます。我々は業界のリーダとして、能動的に未来を創造していくことが必要です。これら全体総括して、「Team Green Logistics」といっています。「空気を運ばず、空気をきれいに」、無駄な空気を運ばないというのがTeam Green Logisticsのコンセプトです。この中には、未来を創出するためにO.P.P.で連携をする方法On Behalfで成り代わってやっていくという方法があります。

 これまでのO.P.P.の伸展を説明すると、都内を中心に多くの特積み事業者と連携しています。その背景には、各社とも採用に苦戦していることがあります。そこで我々が成り代わって一緒に配達を行うと、我々の営業乗務社員の配達効率は高まり、配達受託店所ではSD一人当たりの生産性が5pt向上しました。また委託をされた企業にとっては、委託費を払うだけで採用コストも圧縮できるというメリットがあり、拡がってきています。
 On Behalf(成り代わり)に関しても、埼玉西濃運輸では、お客さまが本業に専念できない非効率な出荷体制を解決し、出荷指示をしていただくだけで、無駄のない在庫管理と最適な運送会社の差配までも実現しました。
 また前述の通り、「人の力」こそが、競争の源泉という話です。MDロジスがグループインしたことで、世界的なレベルで評価される専門性も加わりました。MDロジスは、世界SCM 競技会において世界第2 位(物流企業では世界1位)を受賞しました。このような世界Topのアセットがありますので、これを横に展開していくことで、お客さまに成り代わってサービスを提供していきます。
 持続的な企業成長に向けた人的資本経営についてまとめました。これまでお話した通り、価値創造の中心にあるのは「人の力」であり、従業員一人ひとりのWell-beingの実現が、持続的なサービスの提供や社会課題解決の基盤となります。これまで以上にやりがいが感じられるようエンゲージメントを向上させ、定着と採用力の向上に努めていきます。

 

セイノーのDNA ~不易:将来にわたって受け継ぐもの~

 田口利八名誉会長は、「人間の命は有限だが、企業は永遠になり得る」と仰いました。このポイントは、自分たちの信じるものをしっかり継承していけば、それは永遠になり得るということです。我々は経営者の理念として、「世のため人のために全員参加で会社を発展させ、従業員を幸せにしていこう」と思っています。
 我々は、色々な業種業態の事業会社があり、運送事業だけではないので、「人類の目標」としての上位概念は「物心の繁栄」を通じて「全人類の幸福」と「世界の平和」を目指すことです。これは経営の神様と言われた松下幸之助翁が晩年に一番力を入れたPHPという活動です。繁栄(Prosperity)を通じて人類の幸福(Happiness)と世界の平和(Peace)を実現していくということが一番の目標です。我々はその中で経済人という立場ですから、「経世済民」。即ち繁栄により人々に「幸福」を与える(救う)ことをしています。当社のメインは輸送事業ですので、「輸送立国」という使命を掲げています。経営理念の目的は、「会社を発展させ、従業員を幸福にする」ことであり、幸福とは何か、と言えば「誇り」と「経済問題」と「将来性」の提供であります。特に誇りというのは、「人間尊重への挑戦」、人を大切することがベースになっています。「人」には、「自分」と「他人」の2種類しかいません。自分は自己成長し、そして他者に貢献していきましょう。この自己成長に関しては、大変ありがたいことに、当社には創業以来「3つの宝」があります。それが「労使協調体制」、「礼節中心主義」、「福寿草精神」です。人間が自己成長をするときの方向性は、賢く(智)、優しく(情)、強く(意)なることです。衆智を集めると、賢くなります。礼節のあるところには、秩序が生まれます。秩序があるところは効率が上がります。効率が上がると会社が繁栄します。そして福寿草精神は、プラス思考のことです。物事の意味づけは自分が決めます。コップに水が半分入っていて、「半分しかない」とがっかりするのも自分であり、「半分もある」と見ても思うのも自分です。
 経営理念の実現の手法についてお話します。これはお客さまにOn Behalf(成り代わり)で、先んじて課題を解決することでNo Stressな環境を提供することです。
 経済人としての概念は先ほどお伝えした「経世済民」(世の為、人の為に行動していくこと)、そのために人間尊重、他者貢献、自己成長であります。これらを分解して、企業・個人・社会としてそれぞれ我々のやるべきことを、ミッション・ビジョン・バリュー・パーパスとして取り組んでいます。ベースになるのは、素直に相手の話を聞くことです。相手が何か言ってくれたときに、すぐカチン(怒り)とくるのか、そんなことは気づかなかった!(感謝)と思うかは、これも自分の取り方次第です。
 皆さん経営者は、あるべき道理を計画通り進める手腕を持った方々です。特に大事なのは、「素直」を土台に、①全肯定大努力 ②衆智 ③主座 ④逆算(Back Cast)⑤因数分解 ⑥仮説検証を行うことです。特に主座というのは、お客さまから何かネガティブなことを言われても、自分としてはこれをやりたいというのをしっかり持って、お客さまに継続してサービスを提供していけることがポイントになってきます。これを図で表すと、我々の輸送立国につながっています。

 「協創」のスローガンを今年は掲げました。我々がO.P.P.やOn Behalfを広げていくことで、物流業界のみならず、すべてのお客さまの繁栄に貢献して、日本の国力向上に、ぜひ皆さんの力を貸していただきたいと思っています。そのためには皆さんが健康であることが大事です。皆さんは責任感があって、そして実行力のある方は無理をしすぎてしまいます。どうか仕組みとして組織を動かし、現場の皆さんは特に、健康を害さないように、今年一年、ますますご活躍されますことを心から祈念いたしまして、私の年頭の挨拶とさせていただきます。今年も宜しくお願いします