第103回合同会議の開催にあたり、まず日頃より当社を支えていただいている全国の従業員の皆さんに、心より感謝申し上げます。
本年のスローガンは「協創」です。協創とは単に協力しあうということではなく、それぞれの強みを掛け合わせながら未来の物流を共に作っていくということです。
物流業界を取り巻く環境は、国際情勢の不安定化や物価上昇、人手不足など大きな課題があります。こうした中、社会や産業を支える物流の役割はますます重要となり、当社に求められる責任も一層大きくなっています。全国の皆さん一人ひとりが使命感を持ち、それぞれの持ち場で力を発揮していただくことを期待しています。
先期の振り返り
先期は、ロードマップ2028の3年目にあたり、4月から2月までの実績では16エリアが増収増益となりました。これは、各エリア・店所において多くの取り組みを進めていただいた成果です。しかしながら、計画は未達となりました。基本政策において、適正運賃収受と物量確保がありました。店所によって上手くいった、思うようにいかなかったという店所があります。速やかに分析を行って、特に上手くいった事例を行動のパターンまで具現化して、水平展開し今期に活かしていきましょう。
基本政策25項目については、4月から2月までで14勝11敗という結果となりました。一定の成果があった一方で、計画通りに進めることができなかった項目については、現象面から原因を深堀りして対策を講じ今期に繋げていきましょう。
今期の営業施策
総合収入は、前年比104.5%を計画しています。物量は前年比101.5%、kg単価は102.8%、市場見込の物量と段階的な単価適正化を前提に、目標を設定しています。ベースカーゴである一般貨物を着実に伸ばすとともに、成長戦略である貸切、物流、国際事業のさらなる拡大を進めてまいります。ロードマップ2028の4年目として、この目標にぶれることなく取り組んでまいります。
今期の各部基本政策は26項目です。利益確保のための営業施策は、①+αの価値提供(適正運賃収受) ②ボリュームアップ施策 ③貸切の拡販 ④ロジスティクスの拡販 ⑤国際の拡販。この5つを柱として推進していきます。お客さまのお困りごとに応え、「+αの価値提供」を営業活動の軸とし、単に単価改定をお願いするのではなく、課題解決につながる提案を通じて、5つの営業施策を最後までやり切っていきましょう。
費用14項目と足元を固める7項目については、基本政策に沿った費用削減を計画しています。収入面では物量確保と単価伸長を前提とし、費用面では、路線用車料や外注費の適正化、燃料費などの変動費の管理に加え、運行体制や費用構造の見直しを進めながら、生産性の向上を図ってまいります。こうした基本政策26項目の取り組みを着実に進め、収益力の強化に繋げていきましょう。
現在燃料価格が高騰する中で、我々は燃料サーチャージの収受交渉を継続してきた結果、市場の軽油価格が200円に上昇した場合においても、9月以降、軽油価格の上昇に応じてサーチャージ料を収受できる仕組みとなっています。引き続き、未収受荷主に対する完全収受に向けた交渉をお願いします。
最後安全について、各メディアでも大きく報道された新名神高速での6名が亡くなるという悼ましい多重事故が発生しておりますが、当社の乗務社員が同じような悲惨な事故を絶対に発生させないという強い決意を持って、一人ひとりが一日一日を無事故で過ごせるように、「令和の3事故撲滅!」として特に3つの項目を重点項目として事故の未然防止に取り組んでいきましょう。
未来に向かって協創すること
今期「未来に向かって協創する」ための具体的な取り組みについて、お話しします。今期の方針の軸は、ポスターの表記の通りです。スローガン「協創」のもと、業種・業態を越え、物流を止めることなく、お客さまや社会に新しい価値を届け、笑顔と幸せを広げていきます。全国の皆さん一人ひとりが力を合わせ、この想いを形にしていきましょう。
1点目は「+αの価値提供」です。お客さまのお困りごとも含め、これらの取り組みを通じて、物量回復と単価伸長への提案交渉を行い、増収につなげてまいります。また、全員参加の取組みにおいてはインセンティブ制度の活用をお願いします。全従業員参加型の営業活動を展開し、情報提供のみでもインセンティブ支給に繋がる仕組みを活用することで参加者を拡大し、新規獲得を中心に物量増加を図ってまいります。kg単価については、お客さまとの関係性を重視しながら、3年周期での改定および低レート荷主の見直しを継続し、利益重視の単価改定に繋げていきます。
2点目はロジスティクスについてです。ロジスティクス部門のテーマは「物流価値の最大化で、任せられる安心と深化する物流」です。将来にわたり持続的なロジスティクスサービスを提供していくことを重要な使命として捉えています。単に自社の物流サービスを提供するだけでなく、荷主企業の物流を安心して任せていただける存在となることを目指します。何も、倉庫が無いからロジスティクスが出来ないということはありません。「アセット」「ノンアセット」「成り代わり」により高度で持続可能な物流サービスを提供します。MDロジスとの連携におきましては、MDロジスが保有する各種物流ソリューションの中でも建設ロジスティクス、半導体・電子部品物流、重量品輸送・精密機器輸送、生産・調達物流、包装梱包最適化など、セイノーグループとの協創により、お客さまへ今まで提供できていなかった新たな価値提供に繋げてまいります。
3点目は貸切です。収入はこの3年間で着実に伸長しています。一方で計画未達となっており、案件対応のばらつきや配車遅れによる取りこぼしが課題です。要因は、各店所で営業と配車を並行対応していることによる対応力の差にあると認識しています。今後は配車センターを全エリアへ拡大し貸切業務を集約するとともに、ハコベルのDX配車を活用し、配車効率と対応スピードの向上を図ります。店所は営業に専念し、配車センターが案件対応と手配を担うことで、成約率の向上を図ります。
4点目はO.P.P.の一環として、同業他社との協創を進めている「O.P.P.カンガルー便」の進捗となります。協創メンバー(弊社受託企業)は、2年間で16社、取扱エリアが87市町村に増え、着実に拡大しています。これは、業界全体のネットワーク維持が難しくなっている中で、全国の従業員一人ひとりが日々努力し、業界トップのネットワークを提供している証です。今後も、同業他社との連携を強化し、日本の産業を支える大動脈として、日本社会の発展に貢献していきましょう。
「協創」を具体的に形にした取り組みを紹介します。山陰エリアにおいては、人口減少やドライバー不足の影響により、従来の枠組みでは輸送力の維持が難しくなっています。こうした中、単独での対応には限界があり、福山通運さまと協創し、TGL山陰を設立しました。両社の経営資源を統合し、幹線・配送の効率化を通じて、積載率向上を実現するとともに、拠点・システムの共同活用により、生産性向上とコスト構造の最適化を図ります。この取り組みは、単なる効率化にとどまらず、地域物流を持続可能な形で再構築するものであり、協創によって新たな価値を生み出す具体的なモデルとなっています。
5点目は持続的な幹線ネットワークの構築です。先期は、ベース便数の絞り込みや曜日減便、大型連休時の運行体制変更により、運行効率化と物量に応じた費用コントロールの年間パターンを構築しました。今期は、費用削減のための減便ありきではなく、生産性向上を主眼に置いた運行効率化に取り組みます。また、自社化を推進し、収支改善を図り、幹線ネットワークをより強固なものにします。加えて、同業他社や地域の強みを生かした幹線の協業や、自動運転トラックなど未来の技術活用にも取り組み、持続的で安定した幹線ネットワークを構築していきます。
6点目は、定着と採用です。収入拡大の礎となるのは、やはり人財です。収入拡大のための必要人員数から逆算し、営業本部と人事部が協創して必要人員数の確保につながる制度・環境設計を行っていきます。定着面においては、魅力ある職場とするため、根本的な労働条件の見直しを図ります。採用面においては、昨年より「乗務員紹介制度」の拡充により、従業員の紹介による入社が増加しており、このさらなる促進を図ります。また、最近ニュースでも取り上げられる機会が増えてきていますが、外国人ドライバーの採用についても積極的に進めていきます。自社に限らず、同業他社とも協創を探り、業界全体の課題解決を進めます。定着を図るためにも、給与確保への増収行動と生産性前年100%以上を維持、他部署とも連携し定着と採用の両軸で取り組みます。
最後7点目は、AI活用の推進と実用化についてです。すでに稼働中のAIソリューションとしては、運転映像のAI解析のドラレコAI、請求書の読み取り、支払入力自動化のAI-OCRの2つがあります。来期の取組みとしましては、営業活動における課題や質問内容を入力し、対話型で支援するAIセールスアシスタントの構築を進めます。もう一つはAI-FAQ、お客さまからの問い合わせに対し、AIが内容を理解し、回答ページを表示し対応するなど、お客さまには待ち時間ゼロ、問い合わせ対応業務の削減を図ります。単純・反復作業等をAIに任せ、人は創造的で高度な業務に集中し、お客さまへの価値提供を更に加速させ、AI活用により更に生産性向上を図っていきます。
最後に
何よりも大切なのは、皆さんの「健康」と「安全」です。私たちが掲げる「協創」も、目標の達成も、すべては皆さんが健やかに、そして安全に日々の業務を終えることが大前提です。物流という社会のインフラを支える誇りとともに、皆さんとそのご家族の笑顔を守ることこそが、経営の最優先事項です。皆さんのさらなる挑戦と活躍を期待し、私からの訓示といたします。
